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鹿児島家庭裁判所 昭和49年(少イ)3号 判決 1974年3月28日

被告人 市山八吉(昭七・一一・二〇生)

主文

被告人を懲役一〇月に処する。

未決勾留日数中六〇日を右刑に算入する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、鹿児島県指宿市○○町××××番地において、スナック「○○○」を経営していた者であるが、同店従業員Aと共謀のうえ、

第一かねて売春する高校生などを見つけるよう依頼していた右Aの友人Y・R子(昭和三一年一一月一二日生)がこれを見つけることができなかつたところ、同女が高校生で満一八歳に満たない者であることを知りながら、同女に責任を取つて売春するよう強く申し向け、昭和四八年一〇月二〇日午後九時ころ、同市○○××××番地ホテル「○○○」において、男性経験のなかつた同女をして、遊び客である○園○光を相手に売淫するにいたらしめ、

第二前記Aの友人N・Y子(昭和三二年二月九日生)に対し、同女が高校生で満一八歳に満たない者であることを知りながら、同女の友人Y・R子が売春したのだから今度は右N・Y子が売春するよう強く申し向け、同月二一日午後三時三〇分ころ、鹿児島市○○町××××番地ホテル「○○」において、男性経験のなかつた同女をして、遊び客である○瀬○雄を相手に売淫するにいたらしめ、

第三前記Aの友人○志○美(昭和三一年一二月二一日生)に対し、同女が満一八歳に満たない者であることを知りながら、右Aが電話で数回にわたつて売春するよう強く勧誘をくり返し、同月二六日午前一一時三〇分ころ、同市○○町×××番地ホテル「○○○」において、右生をして前記○園○光を相手に売淫するにいたらしめ、

もつて、それぞれ児童に淫行をさせる行為をしたものである。

(証拠の標目)編略

(法令の適用)

被告人の判示各所為は、いずれも刑法六〇条、児童福祉法六〇条一項、三四条一項六号、罰金等臨時措置法四条一項本文に該当するところ、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告人を懲役一〇月に処し、同法二一条を適用して未決勾留日数のうち六〇日を右の刑に算入することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 堂薗守正)

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